大晦日。快晴。テレビで『義母と娘のブルース』の再放送を見ながら少し掃除。
27日の日記で、岡潔が詩人について語っている箇所を引いたが、その手前で岡はこうも言っている。
岡 日本は、戦後個人主義を取り入れたのだが、個人主義というものは日本国憲法の前文で考えているような甘いものではない。それに同調して教育まで間違ってしまっている。その結果、現状はひどいことになっている。
小林秀雄・岡潔『人間の建設』、新潮社、2010年、71ページ
向いてもいないのに、表層的なぬるい個人主義に寄りかかってひどいことになっている、その結果、パノプティコン効果による歪みの産物が肥大化しインターネットは終わりを迎えた。2019年は、インターネットの広告費がテレビのそれを上回った年である。YouTuberは、実際的には、法よりも視聴者の判断する善悪を恐れているだろう。ぬるい個人主義の弊害は、最後には法をもねじ曲げるだろう。
2020年、コロナの年、ぬるい個人主義とそのパノプティコン効果でこの国の人々はみなよくわからないままマスクを着用し外出を控え、結果、被害は欧米と比して小さい。だが、それは簡単に裏返るだろう。いまのここには重しがない。予兆は十二分。大晦日に言いたくないことだが、来年が怖い。
さて、11月に再開したこの日記はまだしばらく続く予定。来年は良い年になると良いが、まだしばらくは仕方なしにおとなしく暮らすことになるだろう。いくらでもおとなしく暮らしたいところだが、いい加減、金がない。いつものことだけど。
音楽はTheo Parrish『WUDDAJI』、The Avalanches『We Will Always Love You』。