晴れ。昼、『泣くな、はらちゃん』のBlu-ray BOXの特典映像を見る。そういえば数年前、なんとはなしに転居を考えていた時に三浦半島の物件を幾つか巡ったのは、『泣くな、はらちゃん』の影響だったと思い起こす。ただ、ここに越してきてはほんとうに誰とも会わなくなるだろうと思い踏みとどまったのだった。まだ、当時の飼い猫だったもきちが元気な頃で、とはいえ近くに動物病院が無かったことも気がかりだった。
ピエール・ブルデュー『ディスタンクシオン』を読んでいるうちに、しばらく前に読んだスラヴォイ・ジジェク『真昼の盗人のように』のことを思い出し、第三章「アイデンティティから普遍性へ」を読み返す。
「私たちが良ければ、それで良い」が、「私たちが良ければ、それで良い」を補強し続ける仕組みの中で、「私たち」というクラスターはより細分化され続けるのだから、階級の問題は複雑となるわけではなくむしろ単純に、しかし無秩序に点在することになる。そしてその数の膨大こそが問題で、コロナ禍のいま世界が直面している医療の危機は、まるでその脅威の具象化だ。