毎晩、きっかり午後九時から家の前の工事が始まる日々である。それは未明まで続く。
11日(木)、テレビで『にじいろカルテ』第四話。
12日(金)、先月末に描いた二枚の絵を妹の家に送る。今月15日に誕生日を迎える妹からのリクエストだった。家に飾りたいのだという。どんな絵が良いのかと問うと、怖くない絵だったらなんでも構わないという。「窓」という表題の抽象的な風景画と、「怖くない魚」という表題の、古い図鑑に書かれていそうな魚の絵を描く。後者は、万が一怖い印象を与えてはいけないので「KOWAKUNAI SAKANA」と絵の中に書き記しておいた。
夜、テレビで『俺の家の話』第四話。
13日(土)、夜、大きな地震があったが眠っていた。かすかに覚えていたのは、あまりにぐらぐらとするのでそれがめまいだと思ったことくらいだ。
14日(日)、明け方に目覚め部屋に行くと、飾ってあったティラノサウルスのプラモデル(フジミ模型「自由研究1 きょうりゅう編 ティラノザウルス」)が床に落下し、尻尾が折れてしまっていた。なぜだろう、と少し考え、地震に思い当たる。
このティラノサウルスのプラモデルは、昨年の春に死んでしまった飼い猫のミイちゃんがよくいたずらしていたものだ。ミイちゃんは、俺が寝室に行くとこっそりと仕事部屋へと侵入し、なぜかティラノサウルスにだけちょっかいを出す。ティラノサウルスが落下するカタリという音が聞こえて部屋に行くと、まずいところを見られた、というような様子のミイちゃんを見ることができた。ほとんど毎晩、落下させられていたティラノサウルスだが、壊れてしまったのはこの日が初めてだ。
15日(月)、尻尾が折れたティラノサウルスだが、破損したパーツがとても小さいうえに可動を担う部分だったため接着するだけでは心許なく、どうしたものかと考えあぐねていたところ、朝、起き抜けに妙案が浮かび、実行してみるととても綺麗に直った。ミイちゃんは我が家に来るまでの数年(三四年だと思っている)、路上で生活していたため思い出の場所はたくさんあるだろう。ただ、半年ほど過ごした我が家のことも時には思い出すかもしれず、化けて出てはみたものの、いたずら目的のティラノサウルスの尻尾が折れてしまっていてはつまらない想いをさせるかもしれない。無事修復できて良かった。