レイ・ハラカミ『広い世界 と せまい世界』を聴いている。
できることならば、なるべく一息に近い刻に、距離はわずかでもかまわないから、並行した世界へ、移動したい、というような希望があって、今日読んだ尾崎翠『こおろぎ嬢』が、そうした理想に近いはじまりをしたので心打たれた。
昨日書いた日記でおれはなにが言いたかったのだろう、もしかするとずいぶん間違った考えだったのでは? と考えあぐね、昨日眠る前に何度か読み直したが答えは出ず、今日あらためたもののやはり判然としない。
そもそも「悪い」と書いてあるのだから「悪い」のだろうし、「悪い」という自覚のもと、それを記しているのだから、間違っているし、やはり「悪い」。
ただ、自ずから「悪い」と述べることは、社会に存在する意識からだし、そのうえでの断りなのだと思えば、健気なのかもしれない、と少しは思う。